2025.04.21

【丸ごと栄養】第一回:玉ねぎ基礎知識【健康への第一歩】

ビタミンやミネラルたっぷりの「玉ねぎ」。
優しい甘味で笑顔がこぼれる魅惑の食材「玉ねぎ」の面白い情報やレシピをご紹介します。
第一回は「玉ねぎの基礎知識」です。

4月にご紹介するのは「玉ねぎ」

調理をすると涙がこぼれますが、食べる時には抜群の甘さと栄養をほこる「玉ねぎ」

栄養たっぷりの「玉ねぎ」に関する知って得する情報をご紹介します。

第一回は「玉ねぎ基礎知識」です。

 

 

■「玉ねぎ」のルーツ

「玉ねぎ」の原産地は、はっきりと分かっていませんがインド北西部から中央アジア南西部といわれています。

4千年も前の古代エジプトでは、ピラミット建設時に労働者のエネルギー源としてすでに「玉ねぎ」が大活躍していたとか!

「玉ねぎ」は貴重な栄養源であり「薬」としても用いられていました。

紀元前1500年頃のものと思われるエーベルスパピルス(古代エジプト)という古文書には「玉ねぎ」が心臓病、頭痛、咬み傷、寄生虫など種々の病気に効能があると記されているそうです。

クレオパトラも食べていたのか気になるところですね♪

 

 

■「玉ねぎ」の「玉」は根なのか?

「玉ねぎ」はユリ科ネギ属。

一見すると「玉ねぎ」の「玉」(加食部分)は土に埋まっているし、根なのかな?と思いますよね。

「玉ねぎ」を縦半分に切ると1枚ずつ皮のように層になっているのがわかります。

この皮のようなものは茎のまわりに養分を蓄えて厚くなった葉が何枚も重なって球状になったもの。

私たちが普段食べている「玉」の部分は「鱗片葉(りんぺんよう)」と呼ばれる「葉」の部分を食べている、というわけです。

 

 

■涙を流しながら「玉ねぎ」を切ろう!?

「玉ねぎ」を切るときに悩ましいのが、目が刺激されて溢れる涙ではないでしょうか。

包丁などで切ると独特の匂いを発し、その匂い成分が目や鼻に染みて涙が出てきます。

空気中に飛散し、目を刺激して涙を出させるこの成分は硫化アリルの一種。

実はこの硫化アリル、細菌に働きかけ、たんぱく質を分解し、菌を抑え込むという強い殺菌・抗菌作用があり、風邪などの予防・改善に効果的!

またビタミンB1の吸収を高めて新陳代謝を活発にする働きがあり、慢性疲労や筋肉疲労の回復に有効です。

しかし今日から涙を流しながら「玉ねぎ」を切りましょう!・・・という訳にはいかないですよね。

涙を防ぐ方法として有効なのが

(1)切る前に玉ねぎを冷蔵庫で15分ほど冷やす。冷やすことによって揮発成分の発散が抑えられます。

(2)包丁や玉ねぎの切り口を水で濡らす。催涙物質が水溶性の成分のため水分が成分の発散を防ぎます。

(3)電子レンジなどで軽く熱を加えてから切る。加熱することで揮発成分が変質し、発散が抑えられます。

(4)水中めがねをかける!!

ほかにも「割り箸を咥えて切ると涙が軽減される」というものもあります。

口をあけていることで唾液が出るほうが優先されるのだとか。

 

 

■「玉ねぎ」の素晴らしい栄養

「玉ねぎ」は低カロリーでありながら、ビタミンCやビタミンB6、食物繊維などの栄養成分を豊富に含んでいます。

先ほども出てきた硫化アリルという成分は「玉ねぎ」の特徴的な香りをもたらしており、抗酸化作用や抗炎症作用があるとされています。

また、「玉ねぎ」にはミネラルやポリフェノールも含まれており、健康維持に寄与する成分として注目されています。

 

 

■驚異の甘さ

「玉ねぎ」の美味しさといえば「甘さ」が一番に挙げられるのではないでしょうか。

「玉ねぎ」の糖度はいちごに匹敵するといわれるほどなのです。

「玉ねぎ」で有名な淡路産品種の「もみじ3号」という「玉ねぎ」は、加熱調理をすると辛味成分が甘いプロヒルメルカプタンに変化して砂糖の50倍の甘さになるとか!

そのままでもトマトと比べると約2倍強の糖度だそうです。

 

 

■「玉ねぎ」は1日にどれくらい食べればいいの?

「玉ねぎ」の適切な摂取量は個人によって異なり、摂取量の上限は特に定められていません。

一般的に生の「玉ねぎ」で1日あたり50g程度とされています。

大きさによって異なりますが、「玉ねぎ」1個が150~300g程度であるため、1日あたり生の「玉ねぎ」で1/6~1/3個が目安となります。

子どもの場合は適量がこの半分の25g程度となっています。

加熱調理で1個程度食べても問題はありませんが個人差もあるので、自分の適量を見つけるのも大切ですね。

 

 

■「玉ねぎ」のいいこと

「玉ねぎ」には健康にとってさまざまなメリットがあります。

まず、「玉ねぎ」には抗酸化物質が豊富に含まれており、体内の酸化ストレスを軽減する効果があります。

また、炎症を抑制する作用や免疫力を向上させる作用もあります。

さらに、血糖値の上昇を緩やかにする効果や心臓病リスクの低下にも役立つとされています。

「玉ねぎ」を食べる効果として有名なのは血液がサラサラになること。

血行がよくなることで、冷え性の予防・改善にも繋がります。

硫化アリルが血管を拡げ、血液が固まるのを抑制することで血液の流れがスムーズになります。


 

 

■美容にも「玉ねぎ」

「玉ねぎ」で痩せやすい身体になる、というのをご存知でしょうか。

「玉ねぎ」に含まれるケルセチンは、活性酵素の働きを抑制し、脂肪の吸収を抑える働きがあります。

つまり「玉ねぎ」を食べる習慣を付けていくと痩せやすい身体になるというわけです。

ケルセチンは水溶性なので「玉ねぎ」を使ったスープなどは、汁まで飲み干すのがおすすめ♪

また、シワやシミ予防にも効果絶大な「玉ねぎ」

ケルセチンは活性酵素の働きを抑制するので、別の言い方をすれば老化防止にもなります。

さらに硫化アリルは強い抗酸化作用があるため酸化を防ぎ、シワやシミ予防に役立つのです。

 

 

■注意しなければいけないこと

ここまでのお話を聞いて「山のように玉ねぎを食べよう!」と思ってはいけません。

食べすぎるとこんな事がおこったりする可能性があるので注意しましょう。

(1)胃もたれ

「玉ねぎ」に含まれる硫化アリル(別名アリシン)という成分の影響です。

硫化アリルには強い殺菌作用や抗酸化作用があるため、食べ過ぎると胃に負担をかけてしまい必要以上に胃酸が発生し、胃もたれの状態になります。

(2)下痢や腹痛、吐き気

腸の働きを活発にする働きがあるため、活発になりすぎた腸が消化を待たずに排泄を促してしまいます。

「玉ねぎ」に含まれる抗酸化作用は筋肉を緩める働きがあり、胃の入り口にある筋肉も緩めてしまうため、多量の硫化アリルの影響で、胃酸も多く発生していることもあり、吐き気に繋がってしまうので要注意です。

(3)頭痛

先ほども「いい効果」として「血液がサラサラになる」というお話ですが、これは硫化アリルが血管を拡げるからです。

しかし「玉ねぎ」を食べ過ぎてしまうと、血液が一気に流れることで脳の血管に負担をかけてしまうことがあります。

(4)貧血

「玉ねぎ」の食べ過ぎで貧血になることもあります。

硫化アリルは血液をサラサラにしますが、ケルセチンも同じように血流を良くする働きがあります。

この相乗効果により、めまいなどの貧血症状が出てしまうのです。

ただし「玉ねぎ」を食べ過ぎた時の一時的なものなので、しばらく安静にしておけば収まりますのでご安心を。

(5)口臭が残る場合も

「玉ねぎ」には鼻につくツンとした匂いがありますよね。

そのツンとした香りの成分、硫化アリルが酸化すると硫黄酸化物という成分になります。

硫黄と言われて思い浮かぶのは・・・そう、温泉のあの独特の匂いです。

その匂いが胃や腸にガスとして溜まり、口臭となって口から出てくるのです。

「玉ねぎ」を過剰の摂取すると消化不良や胃腸のトラブルが起こる可能性があるため、適度な摂取量を守ることが重要です。

 

 

■安眠効果!?「玉ねぎ」の使い方

安眠効果に「玉ねぎ」がいい、というのを聞いたことがありますか?

「玉ねぎ」の匂いは揮発するため、自然と嗅いで脳をリラックスさせることでアルファー波が出やすくなると言われています。

また、血行促進効果によって体を温める働きがあるため、相乗効果によって安眠・快眠効果が期待できるのだとか。

ただし「玉ねぎ」を置く位置がポイント。

ほんのり香りがする程度の場所に置くことがコツです。

匂いが強いとかえって眠れなくなるなど逆効果になってしまうので気をつけてください。

 

 

■美味しい玉ねぎの選び方

さて、次は美味しい「玉ねぎ」の選び方です。

(1)硬くしまっていて重みのあるもの

(2)皮の茶色にツヤがあり、傷がなくハリがあるもの

(3)ゆがみがなく、なるべく球体に近い丸い形をしているもの

(4)首の部分は乾燥していて細く、しまりのあるもの

・・・ということは次のような「玉ねぎ」は避けましょう!

(✕)押すとブヨブヨとしてやわらかいもの

(✕)皮が浮き上がっている感じのするもの

(✕)芽や根が出ているもの

 

 

■「玉ねぎ」の保存方法

涼しく風通しの良い冷暗所が基本です。

みかんなどの入っているネットや、穴を開けたビニール袋などに入れて風通しの良い場所に吊るしておくと、常温でも2〜3ヶ月ほど保存が可能です。

「新玉ねぎ」は特有の風味が失われやすく、腐りやすいので新聞紙に一つずつ包んで冷蔵庫の野菜室に入れ、2〜3日のうちに食べ切るのがベスト。

箱やカゴなどに入れて保存する場合も、湿気の予防として一つずつ新聞紙に包みましょう。

また、冷凍庫で「玉ねぎ」を保存する場合は、スライスやみじん切りなど使いやすい大きさにカットし、小分けにしてラップに包んでから空気を抜いてジップ付きの保存袋に入れましょう。

冷凍することで「玉ねぎ」の繊維が壊れ、甘味を感じやすくなったり火の通りが早くなり、調理時間の短縮にもつながるので便利です♪

 

 

いかがでしたか。

次回は今が旬の「新玉ねぎ」にフォーカスしたレシピをご紹介したいと思います。

【丸ごと栄養】第二回:新玉ねぎレシピ特集【健康への第一歩】です☆

  • 2025.05.07 14:43

    反抗期治らないムッちゃんさんさま
    コメントありがとうございます!
    お名前が気になりすぎて・・・(∩´∀`)∩
    ぜひ玉ねぎレシピを楽しんでください!!

  • 2025.05.03 10:51

    すごい勉強なりました
    実家で沢山もらったので、早速試してみます

  • 2025.04.22 14:14

    加藤強さま
    コメントありがとうございます!
    身近な野菜ですが意外と知らないことも多いですよね。
    読んでいただき感謝です(∩´∀`)∩

  • 2025.04.21 23:13

    実は知らないことがたくさんありました