ほのぼのとした親しみやすい語り口で、家族のエピソードや趣味の話も交えながら綴っている料理ブログ「Quality of Life by JUNA」が大人気のJUNAさんこと神田智美さん。今回は、お住まいのある静岡へお訪ねし、JUNAさんの素顔へ迫ってみました。

食べることが
苦手だった
子供時代

ブログではいつもおいしそうな家庭料理を紹介されていますが、お料理好きになったきっかけは?

「私は、実は小さい頃から食べることが苦手な子供だったんです。食が細くて、とにかく食べることに興味がない。家族みんなで外食に出かけても、私だけ車の中で待ってたり(苦笑)身体も小さく弱かったので、心配した大人たちがなんとか私に食べさせようとしたんですが、それがプレッシャーになって余計に嫌になってしまって。

でも、ある日母にりんごの皮むきを頼まれ手伝っていた時に、すごく楽しくて。そのりんごを食べたらとってもおいしかったんです。自分でむいて、切って、食べたという大きな満足感があったんですね。その経験から、料理も自分で作ったら食べられるようになるんじゃないかと思い、はじめたのがきっかけです。最初は母の邪魔にならないよう、キッチンに張り付いて料理する姿をひたすらじーっと観察し、分からないことがあれば質問して教えてもらいながら覚えていきました。当時は、ご近所さんがお互いの家を行き来する時代でもあったので、近所のおばさんがうちのキッチンを使っていることもあったし、私が料理しているとおばさんが来てコツを教えてくれたり(笑)まだネットが普及していない頃だったので、そんな地域ぐるみで色んな人から料理を教えてもらったのも、今ではいい思い出です。」

ゼロから
自分で作る
楽しさ

食が苦手な子供から料理に興味を持ち、さらにそこから仕事にしようと思ったのは?

「まさか、自分でこういう仕事をするようになるとは1000%思ってなかったですね。もともと身体もそんなに強い方じゃなかったですし、一生専業主婦として生きてくのかなと思っていたので。

ブログも、今は料理ブロガーになりたくてブログやSNSをはじめる方も多いと思うんですが、私の場合はまったく別の理由で。実は子供の頃大病をしたんですが、当時その病気に関する情報がネットにあまり無くて。自分と同じような状況で病気と闘っている方のために少しでもお役に立てればと思いホームページを立ち上げたんです。自分の病状、手術の様子、費用、術後の様子などを書いたところ、思った以上に多くの方が見てくださって。ただ、病気のサイトってどうしても暗くなりがちなので、日常もこんなことができるくらい回復したということを伝える意味で、手料理やハンドメイド、ガーデニングなど明るい話題も載せていたんです。

術後、体調も徐々に落ち着き始めた頃、主人から「自分が精神的に立ち直るためにも、そのサイトは卒業して、今度は明るい部分だけを持っていってブログをやってみたら?」とアドバイスされ始めたのが「Quality of Life by JUNA」です。そのブログも、今年で12年目に入りましたが、それがお仕事に繋がり、気付いたらレシピ開発や、本の出版のお話しをいただくようになりました。」

JUNAさんを見守り、そっと背中を押してくれるやさしい旦那さまですね。
ブログでは料理をはじめ、ハンドメイドも色々と紹介されていますね。

「料理もそうですが、何もないゼロから自分の手とアイディアだけで形にするっていう作業がすごく好きで。料理、ハンドメイド、本の出版などにしてもそうですが、すべてに共通している部分ですね。そうすることで生活が豊かなになることの幸せを、日々実感しています。」

我が家は
「しょうゆ家族」

JUNAさんファミリーの食卓の様子は?

「我が家は主人と娘と私の家族3人暮らし。普段は和食がだんぜん多いです。それこそ「しょうゆ家族」なんで(笑)だから、ヤマサさんからレシピ開発のお話しをいただいた時は、「わ~、自分に合ってる!」と思ってとっても嬉しかったです。

静岡のご当地レシピといえば、つゆが真っ黒な「静岡おでん」ですが、静岡県自体にしょうゆ文化が深く根付いているように思います。持論ですが、静岡県民にとってしょうゆは濃口!減塩や薄口はあまり使わない(笑)どの料理にもしょうゆが上手に効いている感じですね。」

JUNAさん流、しょうゆ使いは?

「しょうゆ家族ですから、もうほぼ毎食必ずしょうゆを使っています。和食はもちろんですが、洋風の料理でも最後に味を締める意味でしょうゆを入れることがありますね。ヤマサさんの商品で一番よく使うのは「鮮度の一滴香り立つ超特選しょうゆ」。私は出汁として昆布を使うのが好きなので、「昆布つゆ白だし」「昆布ぽん酢」もお気に入りです。「昆布ぽん酢」は昆布が入っていることで、酸味がありながら味わいがマイルドなのがいいですね。」

Happy Recipeより、新春やひな祭りのお祝いにもぴったりな「彩り華やかモザイク寿司」。具材の味付けは「昆布つゆ」と「昆布つゆ白だし」で、卓上で「絹しょうゆ」をかけていただきます。

しょうゆと昆布のダブルのうま味ですね!
洋食にもしょうゆをよく使われるとのことですが、和DEミックスなレシピを考える時のアイディアはどこから?

「まず和の食材を頭の中で思い浮かべて、それに合う洋の食材や調味料はなんだろうと考えます。パズルみたいなものですね。要素が増え過ぎてしまったら、今度はそこから何を引いていくかを考えます。足して、引いて、最後はどれだけシンプルなレシピにできるかを心がけていますが、ただシンプルといっても手間を省くということではなく、料理を作る人にとって楽しい時間を伝えるレシピでありたいと思っています。

料理って食べるのはもちろんですが、作るプロセス自体もすごく楽しいこと。今はレシピ動画も流行っていて、それはそれで分かりやすく便利だと思いますが、すべて映像で見せられてしまうと自分が想像をする必要が無くなってしまう。ひとつのレシピを読む時も、その工程と工程の間にある“空間”までを読む気持ちで、「これはどんな料理なのかな?」「どんな味なのかな?」と自分の頭の中で想像すると、そのレシピにより興味がわいて、作る楽しさに繋がるのだと思います。」

そういったレシピを考える時に、参考にしているものはありますか?

「特に参考にしているものは無いんですが、強いて言えば、冷蔵庫が私のアイディアの源。今日は何を作ろうかなと考えたら、まずは冷蔵庫の中身を見て決めています(笑)先にレシピを決めて、それを作るために買い物することはあまり無いですね。」

レシピ作成の際は撮影もご自分で撮られていますが、写真は独学ですか?

「はい、カメラ自体は、祖父がアマチュアのカメラマンだったので、子供の頃から一眼レフに触れ、暗室で写真を一緒に現像したりしていました。祖父がカメラの手入れをしているところを見ていたりしていたのも、懐かしい思い出です。

普段撮影する際は、料理を作ったら冷めないうちにすぐ撮るのが基本!私がブログに載せている料理は、ほとんどが日常の家ご飯なので、最短で撮って家族みんなで即食べます(笑)
ヤマサさんのHappy Recipe用に撮影する時は、家族も「今回は何を作るの?」といつも楽しみにしてくれています。」

大切にしたい
日常の
小さな幸せ

ブログも12年目に入り、JUNAさんのこれからの夢は?

「実は、今一番迷っている時ではあって。この10年ちょっと、おかげさまで色々なお仕事のご縁をいただき、楽しくも目まぐるしい日々がずっと続いていたんですが、昨年 子宮内膜症の手術を受けたことで、今は仕事のペースを落としながら療養をし、久しぶりに“自分の時間”を持つことができるようになりました。

そうした時「あぁ、忘れていた大切なことがいっぱいあったな」って気づいたんです。それは、例えば日曜日にちょっと手をかけたブランチを作って家族でゆっくり楽しむとか、そういった日常の小さなことなんですが。振り返ると、仕事に没頭していた頃は、土日も関係なく働いて、朝から頭の中は締め切りの事ばかり。忙しい時期の休日の朝食なんて、家族には「とりあえずパン食べといて」みたいな感じだったので。今思うと、家族とのこんな大事な時間があったのに、自分は何をやってたのかなと再び考えるいい機会になりました。」

おいしい料理も、発信する自分自身がまずはハッピーであることが大切ですね!

「そうですね、そういう意味では今は人生のいい充電期間をもらっている感じで、これからどうするとかというのは、ゆっくり考えつつあるところです。
料理教室をやりたい夢もあたためていますし、教室だけじゃなくて、子育てや私が経験した子宮内膜症の病気についてなど、生活にまつわる色々なことをみなさんと共有できる場を持てればと思っています。それがどういう形になるかはまだ漠然としてますけど、そういうことを伝えながら人と触れ合っていければと。」

ブログはもちろん、リアルの場もまた人と人とのご縁、輪が広がりますね。

「はい、仕事もこれまでは東京を主軸に活動をしていましたが、これからは静岡での活動も視野に入れていきたいと思っています。もっと地域にも目を向けて、地元のみなさんへ発信することで、故郷に恩返しすることができれば嬉しいです。」

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