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『和み継ぐ -神田賀子の和の家庭料理』として、家庭で生かせる日本料理を中心とした料理教室をひらいている「神田賀子」さん。日本料理だけではなく、イタリア料理、中華料理、薬膳料理と学び、教室以外にもケータリング、料理雑誌や企業・飲食店のレシピ開発をするなど、各方面で幅広い活躍をされています。
今回は、そんな神田さんの「料理人生」をじっくりうかがいました!

「料理」が
一番の‟遊び”
だったこども時代

神田さんがお料理の道に入ったきっかけは?

「幼稚園の頃、祖母と暮らしている時期があって、よく料理を手伝わせてくれてたんです。ある時、コロッケを作る手伝いをしていて、コロッケって挽き肉炒めて、じゃがいも潰して、塩コショウして、もうそのタネだけでも十分おいしいですよね。
そこにチーズを入れて揚げると、まわりはサクッ、中がトロッとしてて、さらにすごくおいしくって!子供心に、もうこれは砂場遊びとかしてる場合じゃないなって(笑)
私にとっては料理が遊びと同じ感覚で、しかも食べられる!それが料理が楽しいと思いはじめたきっかけでした。

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小学校になると、うちの母は昼間働いていたので夕方仕事が終わると買い物をして帰ってきて、それからご飯を作ってくれていました。そうして手伝っているうちに母のレパートリーも自然と覚えて、一通りの家庭料理は作れるようになっていました。

その後、大学時代に友達から「料理を習わない?」と誘われて。当時はイタリアンが大流行してたんですけど、その友達が「やっぱり最初は和食だよね!」と言ったのと、私も一通り料理は出来たものの、出汁の取り方とかちゃんとした和食の作り方を知りたいなと思い習い始めました。今でも同じお教室で習い続けていて、先生ももう80を過ぎていらっしゃいますが、色々教えていただいています。」

素敵なご縁ですね!その後、料理の道に?

「いえ、大学卒業後、商業施設のコンサルティング会社に入ってレストランゾーンの仕事や、広告代理店で大手飲料会社の担当をしたりしていました。その後PR会社に入り、大手のクライアントさんを色々と担当し、その頃は自分が料理家さんにインタビューしたりレシピ開発をお願いしたり。そうした経験を積んだ後、インハウスで働こうと思って退職した頃、友達から「料理が上手だから教えて!」と言ってもらい教室を開き、今に至ってます。」

簡単で
おいしい
「しょうゆ洗い」

神田さんは、早くから和食との縁が深かったんですね。
和食といえば、やはりかかせないのは「しょうゆ」ですが、普段はどんな使い方をしていますか?

「薄口と濃口は料理の色や塩分によって使い分けたり、混ぜて使ったりもしていますね。
しょうゆを入れると味に深みがでるし、塩分と一緒にうま味もでるので、カレーの隠し味や赤ワイン煮など洋風の料理にもちょくちょく使います。

後、好きな使い方は「しょうゆ洗い」。
日本料理の手法なんですが、色々な食材に使えます。野菜などを茹でてザルで水を切ったら、もう一度同じ鍋に戻して、そこに適当な量のしょうゆをかけるんです。加熱はしません。ササッと箸で和えたら、またザルにあげるだけ。そうするとほんのりとしたしょうゆの香りを野菜がまとって、それだけでおいしくなります。そのままでもいいですし、白和えやみぞれ和えにしたり、サラダや天ぷらにしたり、色々な料理に展開できますよ。

洋食でいえば、カルパッチョを作る前に塩をふっておくみたいな感覚。でも、塩は固形なのでまとわせにくいですが、しょうゆなら液体なのでまとわせやすいので下ごしらえにおすすめの方法。今の季節ならアスパラもいいですよね。アスパラというと、茹でてマヨネーズをつけて食べる方も多いと思うんですけど、茹でたてのアスパラを「しょうゆ洗い」するだけで十分おいしいですよ!お弁当にもおすすめです。」

「しょうゆ洗い」、意外とみなさん知らなさそうですが、一度知れば色んな食材に応用できるのがいいですね。

「そうですね、簡単なのでぜひ試していただきたいです!
ヤマサさんのしょうゆは以前から使う機会もありましたが、老舗のしょうゆメーカーというイメージ。なので、ジュエル・ロブション氏が監修した「ヤマサ鮮度の一滴プレミアムしょうゆ」が発売された時は驚きました。新しいことに挑戦していくというか、そういうマインドがすごくいいなと思いましたね。

今、残念ながら和食を作る方がだんだん減ってきていますが、一方で海外のシェフたちはしょうゆの素晴らしさをよく知っていて使っている方も多い。なので、みなさんにも「しょうゆ洗い」など、色んな形でしょうゆを使っていってもらえるといいなと思います。」

和食の
「出汁」は
世界一
インスタント!

海外では、しょうゆや和食材が今ブームですよね。

そんな、和の調味料や食材を洋食に取り入れたり、逆に洋の調味料や食材を和食に取り入れる「和DEミックス」はどう思われますか?

「そもそも昔から日本の家庭料理は、フュージョンするのがとても上手で。例えば中華のおかずにお味噌汁とか、ある日はグラタンにかぼちゃの煮物やほうれん草のお浸しが添えてあったりとか(笑)日常からそういう食卓なので、もともと『和DEミックス』という感覚の下地はあると思うんです。

ただ、みなさん「和食は大変!」というイメージが先行している部分もあると思うので、和と洋、お互いのいいところを自由に組み合わせることで、和食への敷居を良い意味で下げる効果はあるかなと思います。

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出汁ひとつをとっても、西洋の出汁は骨からブイヨンをひいたり、野菜を細かく切ってずっと煮続けたりと時間のかかるものですが、和食の出汁って実は世界一インスタント!鰹節をお湯に入れるだけで出汁になる。出汁をひくなんてめんどう!なんて印象もありますが、自分で出汁をとって、ちょっとしょうゆを入れただけで、本当においしいスープができます。そこに溶き卵や、季節の野菜を入れるだけで、十分ごちそうに。

今は市販のいい出汁もあるので、時短にしたい時など私自身そういうのを使うのに抵抗はないですが、自分で出汁をひくのは意外と難しくありません。出汁さえ上手にひければ、おいしい和食がぐっと身近になると思います。」

料理は
基礎力!

コロッケで目覚めた料理への興味ですが、そんな神田さんにとって「料理」への思い、これからの夢などは?

「お料理がおいしいとそれだけで気分が変わりますよね。
ちょっと嫌なことがあったり落ち込んだりしても、おいしいものを食べると元気になったりするし、料理って大切なコミュニケーションのツールだと思うんです。
私は心身を健康に保つのは食が一番の要だと思ってるので、おいしい料理を作れるように、その基本をみなさんにお伝えし、知ってもらいたいと思っています。

そのためにも、まずは基礎力!
総合的な腕があがらないと、レシピが無いと料理ができないことになってしまう。そうすると結局は料理を作ることから遠ざかってしまう。なので、まずは基礎の部分をしっかり身に付けていただいて、家族の方が喜ぶおいしいご飯を作れる方が1人でも増えたらいいなと思っています。

そして、料理を作る方の‟特権”も知って欲しい!素材って、料理を作っている時が一番香るんですよね。切った瞬間の香りとか、調理している時の香りっていうのは、ホントに料理している人が一番享受できる素晴らしい季節の楽しみ。そういうことも感じられるような余裕もでてくると、料理をするのがなお楽しくなりますよ!」

確かに料理している時のジューっていう音や香り、たまらないですよね♪

料理の基礎力は
一生ものの財産!

「最近感じていることなんですが、レシピを見て料理を作った後に、味見をしない方が多いように感じます。レシピに「しょうゆ小さじ1」と書いてあったとしても、最後の一滴二滴だったり、ほんのわずかな加減で味の印象が変わってきます。やっぱり最後は自分の舌で確認することが大切。自分や家族の好みに合わせて味を調整できる能力というのも料理の腕のひとつだし、それこそが思いやりや愛情だと思うんです。

なので、私のお教室に来てくださる方にはレシピと共に「なぜこの作業をここでするのか」ということをしっかりお伝えしています。
例えば旬の菜の花。菜の花を買うと、ゴムできつく束ねられていて、葉も窮屈そうにシワシワとしていますよね。でも、菜の花って水揚げが早いので、水をはったボウルに15分もさしておけば、葉の勢いも戻ってピンとしてきます。

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この摘みたてのように元気になった菜の花を茹でるのと、シワシワなまま茹でるのとは食感や味がすごく違う。お教室でも水につける前と後を見比べてもらうんですが、目の当たりにするとみなさんすごく実感してもらえるようです。

水につけたら太さにもよりますが、軸の方からお湯に入れて15秒茹で、そこから倒して入れて30秒くらい。たっぷりめの熱湯で一束を何回かに分けて茹でます。それを先程お話しした「しょうゆ洗い」にすると、しょうゆのいい香りがふわっとあがって、とてもおいしいですよ。そうやってしょうゆの風味をまとわせた菜の花をパスタにしたり、お浸しにしたりしてもいいですね。

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日本には素晴らしい四季があり、季節ごとのおいしい食材が豊かにあり、こんな国なかなかないですよね。手の込んだことをしなくても、ただ茹でて、しょうゆ洗いするだけでおいしくなる。それでおいしいかったと思ったら、次は一歩進んで出汁の取り方に興味を持ってみたり。そんな風に、ひとつひとつ自分のペースで覚えていったらいいと思います。

私自身今でも学んでいる最中ですが、料理の基礎力は一生ものの財産!
ひとつでも多く知っていただくと、料理がますます楽しくなると思うので、みなさんもぜひ楽しみながら基礎を学んでいただけたらと思っています。」

神田さんのプロフィールを見る
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