粉もん道場師匠 独占インタビュー「人生を変えた吸いもんの味」
「料理の鉄人」で勝利した料理は”タコ料理”。
まさに今回のテーマにピッタリな師匠、
大田忠道さんに和食への熱い思いをいろいろとうかがいました!
白い湯煙が静かにたちのぼる、有馬温泉。
この風情ある地に料理旅館を営みながら、和食の心を伝える大田忠道さん。
和の料理の鉄人、タコ師匠などの別名を持ちながら、
全国700人以上の会員を持つ『百万一心味 天地の会』
(ひゃくまんいっしんみ・あまつちのかい)を主宰され、
勉強会や情報交換を通じて料理の研鑽に努められています。
今回は、大田さんに和食への思いや、
和食を作り・伝える「人」の教育などについてお話しを伺いました。
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-伝説的な「料理の鉄人」での勝利や黄綬褒章受章、瑞宝単光章受章の受賞など
素晴らしいご経歴をお持ちの大田師匠ですが、
師匠がこの食の道に入られてどのくらいでしょうか?
大田さん:高校卒業してやから、もうひと昔ですね(笑)
実は、卒業して故郷の西宮市から東京へ行く予定だったんですが、
兄貴が大阪の料亭で働いてたんで途中下車したんです。
そこで食べさせてもらったもんが、田舎で食べるもんとぜんぜん違う。
鰻とかアラ炊きとか、後は吸いもんですね。
昔は田舎の吸いもんっていうと魚のアラ汁という感じでしたが、
その時飲んだ吸いもんはあっさりとしただしが、
鰻の濃いめのタレやアラ炊きを食べた後の口にとってもよく合って、
「こんなおいしいもんあるんやな・・・!」と。
そこからこの料理の世界に入りました。
その後、大阪にある料亭で働いて、
それから点々と奈良、和歌山と色んなところに行きこの有馬に来ました。
「有馬グランドホテル」に就職してからは長かったので、
年がいってからこの宿を作ろうと思った時も、ここでいいんかなと思って。
この「旅籠」は元は保養所だったんですけど、自分らで改装してはじめました。
-普段から料理、おもてなしで心がけていることは?
大田さん:やっぱり、まずはお客さんに喜んでいただくこと。
それとスタッフ。
俗に修業何年とか言いますが、自分は実力の世界だと思ってるんで。
なので若い子にも言うんですけど、昔だったら「板場に何年」とか言うけど、
そんなことはもう関係なく、自分のやる気さえしっかりあれば上に上がっていって、
給料取れる人間になったらええんちゃうっていうような感じで話しています。
そやから自分とこの若い子は、20代でもあちこちで調理長やってますね。
それと一番感じるのは、教育の中で、
今までだと調理場の中で先輩に怒られたりしよったんですけど、
注意されるのも何されんのも接客の中で一緒にしてもらったらええと。
若い子も、お客さんに怒られたらあんまりね、腹もたたへんやろと(笑)
逆に板場の中で怒られとったら「なんで怒られてんのかな」と思ってしまう。
「日本料理なかむら」の中村さんにしても、自分自身で接客しながら商売してますね。
-今回、中村さんがヤマサの「昆布つゆ白だし」、「まる生ぽん酢」を使った
タコ料理を作られましたが、だしやぽん酢のご感想は?
大田さん:「昆布つゆ白だし」など市販のだしも、
使いこなし方によってプロ以上に活用できるかと思うんです。
一番ええのは、塩分が控えられること。
例えば茶碗蒸しとかにちょっと塩入れたりする代わりに白だし使えば、もうそれで十分。
「まる生ぽん酢」は、味もさっぱりしてるし今から夏の季節にかけてぴったりですね。
-師匠は和食はもちろん、ジャンルにとらわれずフレンチやイタリアンなど
洋食の要素も料理に取り入れられていると聞きましたが。
大田さん:やっぱり今はフレンチとかイタリアンとかがあんだけ人気もあるんで、
和食もそれに負けないように工夫はしてます。
でも、和食はだしの文化やから、そこにはこだわるようにしてます。
例えば「旅籠」でも、朝食は温野菜を鍋にだしをたっぷり入れて、食べてもらってます。
-だしが食材のうま味を引き出してくれるんですね。
ところで、今回のテーマ食材「タコ」を家庭でおいしくいただくアドバイスはありますか?
大田さん:そうですね、タコをちょっとヤマサの白だしなんかを入れた
だしで湯がいてもらったら、後はぽん酢をかけるだけでおいしくいただけます。
夏のきゅうりを塩もみしたのと一緒に食べたら最高やと思います!
なおどんさま
コメントありがとうございます!
さすが大田先生!
先生のちょっとしたコツは本当に目からウロコですね!