ナイフとフォークで楽しむお好み焼きへの挑戦!
師匠のお題にチャレンジするのは「ArAkA」の安原淳雄さん。
”ナイフとフォークで食べる”お好み焼きへの思いや、
これからの夢をじーっくり伺ってきました!
こんにちは!
ハッピーレシピ部ブログ担当のハルカです。
粉もん道場 第二弾「お好み焼き編」、
前回の師匠インタビューに続いて、
今回はチャレンジャーであり弟子の
「ArAkA」オーナーシェフ安原淳雄(あつお)さんの登場です!
現在、大阪に2店舗を構える「ArAkA」、
淀屋橋の別館にお邪魔してみると・・・
シャンデリアの下がる店内は、
まるでおしゃれバルのような雰囲気♡
安原さん、こんにちは~!
やさしい笑顔で迎えてくださった安原さん。
店名ロゴの入ったオリジナルシャツも
これまたおしゃれ♪
ではでは、早速インタビュー開始です!
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ハルカ(以下:ハ)まずは、安原さんがお好み焼きの道に入ったきっかけは?
安原さん(以下:安)僕は生まれたのが大阪の下町だったんで、
もう3才~4才頃から軒先でたこ焼きとかお好み焼きとか、
そういうのが普通に生活の一部にあったというのと、
やっぱり自分の好きな大阪の地(じ)の食べもんを
自分の味で表現してお客さんに食べてもらいたいなと思ったのがきっかけです。
10代の頃はお好み焼き屋さんでアルバイトしてたんですけど、
それから色んな仕事を経験して
25才の時に本格的にお好み焼きをはじめて、
30才で自分の店を持ちました。
ハ:そして、今や北浜と淀屋橋に2店舗ですね。
粉もんが色々ある大阪で、“お好み焼き”だったのは?
安:やっぱり一番好きだったから、ですね。
小学校の頃に一番衝撃を受けたのが、お好み焼きだったんで。
それまでは下町の豚玉とか、そういうのがお好み焼きだと思ってたんですが、
道頓堀や千日前の通りを歩いてると色んなお好み焼き屋さんがあって、
もうすごい衝撃で。
はじめて「美津の」の前を通った時は
「あぁ、かっこイイお好み焼き屋さんあるな~!」と。
「ここで働かせてもらいたいな!!」と思いました。
で、勤めはじめてその後独立して、
そこからこういう雰囲気の店になってるという感じですね。
ハ:確かに、店内の雰囲気がおしゃれなバル風で、
いい意味でお好み焼き屋さんらしくない感じにビックリしました・・・!
安:ありがとうございます(笑)
お好み焼きってすごい庶民的な食べもんですが、
それを“ご馳走のように食べる”お好み焼きに
5年~10年経ってなっていけばいいなという思いを込めて、
ロゴマークも自分でデザインしました。
ハ:「ArAkA」のAがエッフェル塔のようでおしゃれですね!
安:その隣は、テコとフォークとナイフをデザインしてるんです。
お好み焼きは普段テコで食べるんですが、
フォークとナイフでも楽しんでもらいたいなと思って。
ハ:ちなみに、キノコは?
安:それは、僕が好きだからというので(笑)
ハ:店名の「ArAkA」も洋風な響きですよね。
安:”アラカルト”の頭部分を取って「ArAkA」なんです。
開店当初の15年前は読んでもらいづらかったんですが、
今はおかげさまでだいぶ馴染みましたね。
ハ:ロゴにしても、お店の内装もご自分で手掛けてらっしゃっいますが、
すごいセンスを感じます!
何か勉強されてたんですか?
安:特に勉強はしてないんですけど、ひらめきで。
メニューも含めて、目に飛び込んでインパクトがあったものを
頭の中で整理しながら色々考えてます。
ハ:フォークとナイフでも楽しめる
“ワンランク上のお好み焼き”というコンセプトですが、
その工夫は?
安:お酒に合うお好み焼き、
例えばワインに合うお好み焼きなどをメニューに入れたり。
あとはメニューの構成も、
前菜から鉄板焼きをお酒のつまみに食べてもらって、
メインにお好み焼きを楽しんでもらう、
というような流れを考えたりしています。
ハ:ちょっとフレンチのコースのようですね・・・!
安:足元にも及びませんけど(笑)
まぁ、そういった考えで、時間をゆっくり楽しみながら
お好み焼きを食べてもらえればって思いが強いんで。
ハ:お好み焼きはパッ食べて満足というイメージがありましたが、
ゆっくり楽しむというコンセプトが新鮮ですね!
ご自身でそういったムーブメントを起こしていて、
周りの反応や変化はどうですか?
安:そうですね、
創作スタイルの鉄板焼き屋、お好み焼き屋もここ10年ですごく増えてきましたし。
ただ、まだなかなか難しいですよね。
今のお好み焼きっていう大阪人の概念から、
“ディナーで楽しむお好み焼き”というところにいくまでには。
まだまだ頑張らないと・・・!
ハ:生地については、どんな工夫をされてますか?
安:うちの店は鶏ガラと昆布出汁を使ってるんですけど、
新鮮さが大切なので、出汁はこまめにとってます。
出汁の味と野菜の食感を大切にしてますね。
出汁は具材の旨みを引き出してサポートしてくれてる脇役でもあり、
ある意味主役でもあります。
お客さんもちょっと出汁を変えただけで分かりますしね。
ハ:今回、道場用に作ったお好み焼きについてはどうでしたか?
安:「野菜たっぷりのお好み焼き」というお題を頂いて、
自分で色んな具材を使って試作しながら、
どんどんブラッシュアップさせていったんですけど、
色んな方の発想や意見も取り入れて完成させたのが、
とても勉強になりました。
ハ:ヤマサの調味料については?
安:ヤマサの「昆布つゆ」は単体でも色んな料理と合うと思いますが、
ソースとこれだけ相性がいいというのが驚きでしたね。
ハ:確かに、ソースの味に「昆布つゆ」が負けてませんよね。
家庭でお好み焼きを上手に焼くコツはありますか?
安:まずは、混ぜすぎない。
空気を入れながら、野菜にやさしく、生地にやさしく
ふんわりと混ぜる事。
後は、ソースは塗るのではなく、
ポンポンっと置くように。
塗ると、お好み焼きとソースの味がベチャーっとくっついてしまうというか、
一体化し過ぎてしまうので。
ハ:なるほど、ふんわりとポンポンっですね。
ところで、日頃から心がけていることは?
安:気持ちの部分ですけど
笑顔と「ありがとうございます」の気持ちを忘れないこと。
最初から最後まで出来るだけ満足してもらえるように
その気持ちを料理と共にお客さんに受け止めてもらえるよう、
どういう風に伝えていこうかなといつも考えています。
ハ:これからの夢は?
安:たくさん夢はあるんですが(笑)
やっぱり海外でやってみたいなと思いますね。
大都会はすでにお好み焼きってあるんで、
アジアの小さな村とか町とか、
まだお好み焼きが浸透していないところで。
その村や町にあった庶民的な形で、
海外の人とコミュニケーションをしながら
どう受け入れてもらえるか。
お好み焼きを通じてそういう仕事をしてみたいなと思います。
小っちゃい夢ですが(笑)
ハ:いやいや、ステキな夢ですね!
安原さんのお好み焼きが、
世界中の色んな人に楽しんでもらえる日が来るのを応援しています♪
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質問に対して、
ひとつひとつ丁寧に言葉を選びながら
お好み焼きへの思いを熱く語ってくださった安原さん。
オフの日も、
気が付けばメニューを考えていたり、
他のお好み焼き屋さんへ行って勉強する日々だそう。
この情熱があれば、
安原さんの「夢」が叶う日もきっとそう遠くない・・・
と確信したハルカでした。
ナイフとフォークで食べる発想がお洒落ですね。オンの日もオフの日も、安原さんは「お好み焼き」なんですね。大好きなのが伝わりました。家庭で上手く焼くコツも知れて有難いです。