栄養満点の「なす」があなたを救う!?第一回:「なす基礎知識」
栄養満点で漬け物からおかずまでいろいろ役立つ万能選手!
「なす」の魅力をお届けする第一回は「なす基礎知識」です。
南の方から梅雨明けの声が聞こえ始めた7月。
すでに暑い日が続いていますが、夏はすぐそこ!
本格的な暑さを美味しく乗りきる、とっておきの食材をご紹介します。
7月の特集はさっぱり美味しい「なす」をお届けします。
■「なす」はインド生まれ
「なす」はインドの東部で生まれたと考えられています。
インドから東西へ広がった「なす」。
西は古代ペルシャや、アラビア半島へ。
東は東南アジア、チベットから中国へと幅広い地域に広がりました。
日本には7~8世紀ごろに中国から伝わり 、 奈良時代 から食されていたといわれています。
■今もなお増え続ける「なす」の品種
実は「なす」の品種は世界で1000種類以上あるのだとか。
日本だけでも200種類ぐらいあるそうです。
その中でも有名なものをいくつかご紹介したいと思います。
〇中長なす
長さ12~15cmで、「千両なす」、また「長卵形なす」ともいいます。
〇長なす
長さ20~25cmで、主に西日本や東北で作られています。
秋田県の「河辺長」、岩手県の「南部長」、大阪府の「大阪長」、宮崎県の「佐土原」などがあります。
〇丸なす
東北から北陸、関西で作られています。
肉質がしまっているので、田楽や煮ものに向きます。
京都府の「賀茂なす」、新潟県の「巾着なす」などがあります。
〇米なす
ヨーロッパ、アメリカの品種を日本で改良したもの。
田楽やバター炒めにおすすめ。
〇小なす
重さ10~20gの小形の「小なす」。
「小丸なす」と呼ばれる丸いものや、辛子漬けで有名な山形県の「民田なす」などがあります。
〇水なす
関西地区を中心として昔から栽培されてきた品種。
果肉は名前の通りみずみずしく生食や漬物に向いています。
代表的な品種は「みず茄」「紫水」「美男」「泉州絹皮水なす」など。
〇大長なす
長さ40~45cmで、肉質が柔らかく、暑さや乾燥に強い品種でもあります。
「焼きなす」や「煮なす」に最適で、「久留米長」や「博多長」などの品種があります。
また、このほかにも日本各地の「ご当地なす」があります。
「三豊なす」や、「ひごむらさき」、「京山科なす」など。
日本各地の「ご当地なす」を食べ比べてみたいですね!
■「なす」の旬は夏
「なす」の旬は長く、5~10月頃の初夏から秋にかけてです。
出荷量のピークは8月で、夏が一番美味しい時期。
また9月頃から収穫されるものを「秋なす」といい、こちらも美味しいことで有名です。
夏の「なす」はみずみずしいのに比べ、「秋なす」は種が少なく実がしまっています。
■「なす」の栄養
90%以上は水分で出来ている「なす」。
しかし、驚きの栄養が詰まっています。
塩分の摂りすぎを調節するカリウム。
お通じの改善になる食物繊維。
また、「なす」特有のナスニンと呼ばれるアントシアニン系の天然色素が含まれています。
この天然色素は植物が紫外線など、有害な光から自身を守るために作り出されるもの。
視機能改善作用や、抗酸化作用などがあるといわれる注目成分です。
そして造血ビタミンと呼ばれる葉酸も豊富。
普段の食事に「なす」を1本追加するのがおすすめ!
■「なす」のアク抜きは必要?
「なす」のアクの正体は、コーヒーやりんごなどにも含まれる「クロロゲン酸」というポリフェノール!
体に悪いものではないのですが、この成分は若干苦みや渋みがあるのが難点。
この渋みを無くすためにアク抜きを行いますが、酸化による変色を防ぐ、という理由もあります。
しかし、油で加熱調理する場合や切ってすぐ調理する、という場合はアク特有の渋みを感じにくい仕上がりになるので、必ずアク抜きをしなければならない、というわけではありません。
■アク抜きが必要な調理とは?
前述したものとは真逆の場合です。
油を使わない煮物や汁物、漬物などを作る際には、アク抜きをするのがおすすめ。
そして切ってすぐに調理しないものなど。
切り口が酸素に触れると酸化が始まってしまうので、水にさらすなどのアク抜きをするとよいでしょう。
■「なす」の適温保存は何度?
「なす」を冷蔵庫に入れて置いたらすぐシナシナになった・・・なんて経験はありませんか?
「なす」を保存するときの適温は10~12℃とやや高めです。
冷蔵庫に入れて保存する場合は3日程度しか日持ちしません。
しかし、ここでひと手間加えると1週間程度の保存が可能です。
まず「なす」を水でよく洗ったら、しっかり水気を拭き取りましょう。
そして濡らした新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ラップやポリ袋に入れて野菜室で保存!
できるだけ乾燥させないようにすることがポイントです。
■「なす」は冷凍OK!
麻婆なすやカレーなど、濃いめの味付けでしっかり加熱する料理のときにおすすめなのが冷凍保存。
まず「なす」を洗ってヘタを落とし、輪切りなど料理する際に使いやすい大きさにカット。
次にボウルに水を入れ、カットした「なす」を浸して10分程アク抜きをしてください。
ザルにあげ、キッチンペーパーなどで水分をしっかりと拭き取ります。
密封できる保存袋に重ならないように入れて、空気を抜いてから冷凍庫で保存すれば完成です!
使うときは解凍せず、そのまま調理しましょう。
また、加熱してから冷凍保存すれば、そのままお浸しなどに使えて便利です♪
この場合は自然解凍がおすすめです。
最後に、冷凍した「なす」は、だいたい1か月が最長保存の目安です。
美味しい「なす」は早く食べるのがいいですね。
次回は夏に嬉しいこんなレシピをご紹介します。
栄養満点の「なす」があなたを救う!?第二回:「絶品!レンジで調理するなすレシピ」です。
加藤強さま
コメントありがとうございます!
今夜は「なすカレー」なんていかがでしょう?( *´艸`)