郷土料理を楽しもう!第一回:伝えていきたい味「のっぺ」の豆知識
どんな料理でどんな時に作るのでしょう?
第一回は「のっぺ」の豆知識をご紹介します。
皆さんは「のっぺ」という料理を聞いたことがありますか?
新潟の郷土料理、「のっぺ」。
4月は「のっぺ」についてご紹介したいと思います。
■「のっぺ」って何!?
名前からは想像できない「のっぺ」。
この「のっぺ」とは 「とろみのある」という意味の「ぬっぺい」 からきているのだとか。
漢字では「濃餅」や「能平」と書かれることがあり、呼び方も「ぬっぺい」や「ぬっぺり」などと呼ぶこともあるそうです。
また、行事の際に人が集まる席が「平」らに「納」まる様に「納平(のっぺい)」と呼ばれたともいわれています。
そんな「のっぺ」は「根菜を多く使ったとろみのある煮物」料理というわけです。
里芋を主材料とし、野菜やきのこなどを薄味で煮てとろみをつけたもので、青味にはさやえんどうが使われます。
さやえんどうが手に入らない冬は「ととまめ(※)」を使います。
「のっぺ」は煮汁を濁らせないようにするのがポイント。あまりくたくたに煮込まないそうです。
※「ととまめ」とは鮭の卵、イクラのこと。ほぐして塩を混ぜて保存し、必要に応じて茹でて使います。
■新潟のソウルフード、「のっぺ」
中越地域の長岡が発祥の地だといわれている「のっぺ」。
新潟は雪深い土地のため、買い物に行けない日にたくさん作り、雪を冷蔵庫代わりにして鍋ごと雪の中で保存していたのだとか。
その名残りからか今でも冷製の「のっぺ」もよく食べられています。
「のっぺ」は冠婚葬祭やお正月のおせちとしても並ぶ料理。
お祝いの席では食材を奇数に揃えたり、拍子木切りなどにするところも。
また仏事では乱切りにするといった切り方の特徴も持ち合わせています。
昔は出汁に貝柱を使っていましたが、最近では鶏肉や新巻鮭を小さく切って入れたりするそうです。
その家独自の味で工夫され、具材や作り方、食べ方もさまざま。
上越市などでは、里芋ではなくじゃがいもや、かんぴょうを使ったりするそうです。
バリエーション豊富なところも「のっぺ」の魅力かもしれません。
■「のっぺ」と「のっぺい汁」は同じもの?
新潟以外の地域でも目にすることがある「のっぺい汁」という料理をご存知の方も多いと思います。
新潟の郷土料理「のっぺ」と全国各地に点在する「のっぺい汁」は同じ料理なのでしょうか。
答えは「違うもの」です。
「のっぺ」は里芋の自然なとろみがついているのに対し、「のっぺい汁」は片栗粉でしっかりとしたとろみをつけます。
■実は日本各地に「ご当地のっぺ」が存在する!?
冒頭で「新潟の郷土料理」と書きましたが、実は日本各地には「ご当地のっぺ」があります。
例えば奈良県。
「奈良のっぺ」と呼ばれ、昆布や干ししいたけの戻し汁を出汁として使った精進料理。
毎年12月17日に奈良春日大社で開催される「おん祭」のお渡り式に先立ち、15日に、おん祭を執り行う大和士(やまとざむらい)らが身を清める「大宿所祭(おおしゅくそさい)」で大和士や参拝者らに「奈良のっぺ」が振舞われるそうです。
そして長崎県。
こちらは「ぬっぺ」と呼ばれていて、里芋を中心とした根菜類を小さく切って煮る料理。
同じく精進料理として振舞われてきましたが、お祝いの席では鯨肉や鶏肉がプラスされるそうです。
このほかにも、お住いの地域で「私の住んでいるところものっぺがある!」という方はコメントお待ちしております♪
いかがでしたでしょうか。
「のっぺ」の豆知識が増えたところで次回はコチラ!
郷土料理を楽しもう!第二回:伝えていきたい味「基本の“のっぺ”」レシピです。
加藤強さま
コメントありがとうございます!
嬉しいです!!これからも特集しますのでお楽しみに!